時間の都合上、お答えできなかった質疑応答分を書いておきます。
Q「先ほど、繰り上げ返済がお得とのことでしたが、住宅ローンを調べた時に現金一括で家を建てるよりも、ローンを組んだ方が税金面で優遇があると見ました。それでも繰り上げにするべきなんですか?」
A
「現金一括VS住宅ローン」ですが、住宅ローンが得なのはあくまでも「税金面で優遇」です。
総支払額で得なのは現金一括です。
ローンの税金面での優遇は「住宅ローン減税」があります。
新築時より10年間、ローン残高の1%を所得税(足りない場合は+住民税)より控除されます。
収入によっても税金は変わるので、ここでは月収30万円、2500万円35年ローンとします。
月収30万円の所得税と住民税はこちらのサイトを参考にします。→http://tax.salalive.com/post/inhabitant-tax-month-amount-30/
まず現金一括の場合は優遇税制もなければローンの保証料も金利もありませんので純粋に2500万円の支出になります。
2500万円ローンの場合、仮に金利0.65%にすると35年間の総返済額は約2796万円になります。
これに「住宅ローン減税」の恩恵が受けれます。
月収30万円(賞与あり)の方の10年間の恩恵額は約206万円。
2796万円-206万円=2590万円となり現金一括よりも90万円支出が増えます。
これに繰り上げ返済を加味していきます。
賞与を想定し1年に一回50万円の繰り上げ返済とします。
10年間で受けられる繰り上げ返済の恩恵は約91万円です。
ただし住宅ローン減税の恩恵が減り185万円。
91万円+185万円=276万円
2796万円-276万円=2520万円
住宅ローン減税は残金の1%なので最大の恩恵を受けようと思うと、毎年50万円繰り上げ返済よりも11年目に500万円繰り上げ返済する方法もあります。
このやり方だと繰り上げ返済の恩恵71万円+ローン減税206万円=277万円
貯金は難しいので現実的に500万円貯めることが出来るかどうかに疑問が残りますが、試算では住宅ローン減税(最大)+11年目の繰り上げ返済500万円が恩恵額が一番高かったです。
*ここでは金利0.65%と最も低い金利での試算なので、これ以上高い金利ですと11年目の繰り上げ返済では新築時から毎年50万円の繰り上げ返済よりも損します。
ここでの繰り上げ返済は新築時より10年間だけの試算なので11年目以降も繰り上げ返済し続ければ、住宅ローン減税の恩恵を考慮すると元金を下回っていきます!
細かく言うとローン額や繰り上げ返済の額にもよりますが、平均的に得する順番
1 住宅ローン×繰り上げ返済×住宅ローン減税
2 現金一括
3 住宅ローン×住宅ローン減税
となります。
今回の質疑応答は中身が濃く、長くなってしまったので他の質疑に関しては明日以降、極力答えていきます。